初代モデルを彷彿とさせるイナズマ針(秒針)と2代目のシンプルなフォルムを継承し、2007年に復活を遂げた耐磁時計ミルガウス。
最大1000ガウスの耐磁性能を持つミルガウスのネーミングは、フランス語で1000を意味する「ミル」と磁束密度の単位「ガウス」に由来している。その高い耐磁性能を実現させるため、新たな耐磁構造を採用し、デイト表示を省くことで文字盤の開口部を減らし可能な限り磁気の浸入を防いでいる。さらにムーブメントには、独自開発の高い耐磁性を持つブルーパラクロム・ヒゲゼンマイを採用し、また、ガンギ車とアンクルは非晶質合金仕様にすることにより、機械式時計の弱点である衝撃や磁気への耐性が増し、今まで以上に安定した精度を保つことができる仕様となった。このミルガウス専用ムーブCal.3131を「市場に流通している最も高性能なムーブメントのひとつ」に挙げる技術者は少なくない。
直径40mmのミルガウスは、同サイズの他のモデルよりもケースに厚みがある点が特徴である。この厚みは、磁気を遮断するための軟鉄製インナーケースが内蔵されているためである。このインナーケースには、”B”というアルファベットが刻印されており、磁束密度を示している。ムーブメント以外に、このパーツも唯一ミルガウスにのみ内蔵されている。
外装においては、耐蝕性のある「904Lスチール」と呼ばれるステンレススチールがケースやブレスレットに用いられている。堅牢であり研磨性に優れた「904Lスチール」のケース全体には綺麗な鏡面仕上げが施され、滑らかな曲線が描かれている。厚みのあるケースを美しく演出できるロレックスの技術力の高さに感銘を受ける者も多い。また、バックケースの外周部分には「ROLEX」、「MILGAUSS」、そして王冠マークが刻印されており、機能やデザインをはじめ、総合的に特殊な仕様のミルガウスは他のモデルとの差別化が図られている。
ブレスレットは中央部分に鏡面仕上げが施され、高級感が漂う仕上がりとなっている。また、バックル部分には、約5mm単位での微調整が可能な「イージーリンク」というロレックスが特許を取得した最新技術が取り入れられている。
ミルガウスの最大の特徴となるオレンジでジグザグな秒針は、機能面を象徴するかのように、稲妻がモチーフとされている。
ミルガウスは、磁気に対する耐性を徹底的に追求した「現代の生活環境に最も適した実用時計」である。
|